視覚障害とは、全盲でなくても メガネやコンタクトを使っても目が見えなかったり、視野が狭かったりする状態のことを言います。
白杖を持っている人は皆、視力がゼロ、つまり全盲の人だと思われがちですが、実際、圧倒的におおくの場合、目がみえにくい人が多いです。

1.視覚障害とは
(1)定義
 視力や視野に障害があり、生活に支障を来している状態を視覚障害といいます。眼鏡をつけても一定以上の視力が出なかったり、視野が狭くなり人や物にぶつかるなどの状態です。
 眼の機能は、視力、視野、色覚などがあり、身体障害者福祉法に規定されている視覚障害は、視機能のうちの矯正視力、視野の程度により1級から6級に区分されます。
 矯正視力とは、近視や乱視などの矯正眼鏡をしたときの視力です。



(2)全盲の方とロービジョンの方
  視覚障害の方の見え方の状態には、全盲、弱視、ロービジョンなどいろいろな表現があります。
  全盲とは、医学的には光も感じない状態をいいます。社会的盲、教育的盲という表現もあります。社会的盲は、ある程度の視機能があるものの、
かなり見えないため視覚以外の感覚を使って日常生活をしている状態をいいます。教育的盲は、ある程度の視機能はあるが、かなり見えないため視覚
以外の感覚による教育をすべき状態です。
 弱視という言葉もあります。医学的に弱視とは、眼球に障害の原因となるような疾患がなく、視力低下の原因が視覚に関係する脳の発達によると
考えられる状態を指します。斜視弱視、屈折異常弱視、不同視弱視、形態覚遮断弱視に分類され、小児期での対応で、視機能が上がることもよくあります。
  それに対して、社会的弱視、教育的弱視という言葉もあります。社会的弱視は、視覚障害はあっても、主に眼からの情報を使って生活できる状態
をさします。教育的弱視は、視覚障害はあるものの主に視覚を用いた学習が可能な状態をいいます。最近では、医学的弱視との混同を避けるため、
社会的弱視、教育的弱視をロービジョンということがあります。
  全盲とロービジョンの定義は必ずしも確定していませんが、全盲とは視機能をほぼ使えない状態、ロービジョンとは視覚情報をある程度使える
状態と言えます。ロービジョンの人は、視覚障害者の多くを占めています。

(3)ロービジョンの方の見え方

  見え方には、眼疾患などにより視力が低くなる、視野が狭くなるなど、いろいろな状態があります。さらに、まぶしさや薄暗いところで見えにくいという夜盲
などの症状が合わさっていることもあります。視力が低いため拡大鏡などで大きくして読む人、視野の中心が無くなり文字が読めなくなったものの、周辺の視野を
使って慣れた道を問題なく歩く人、視野の周辺の視野が無くなり中心の視野で見ながら歩行するので障害物や人にぶつかってしまう人、それらの状態にまぶしさや
夜盲などの症状が加わった人など、様々です。



□ 視覚障害者にとって便利なスマホ

 緑内障の場合をみると、周りが暗くて視野が狭くなっている。見え方は人によって様々だが、トイレットペーパーの芯をのぞきながら歩くような感じ。
 そんな視力が弱い人にとって、実はスマートフォンは便利だという。文字を拡大することもできるし、文字を黒から白に反転させることなどもできるので、視力が弱い人は、
 こういう機能を活用している人も多いという。スマホの機種によっては、文章の読み上げ機能などもある。

 音声ソフトやディスプレイ上の文字や図などを拡大するソフトを利用してコンピュータを使う人もいます。
 視覚障害の方も仕事をする上では、コンピュータを使うことが一般的になってきています。


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